臆病な支配者
<内容紹介>
あなたなど壊れてしまえばいい。
「私を覚えていますか」かつての恋人セルジュの言葉にリディアは歓喜した。子爵令嬢と庭師。身分違いの許されざる恋に、二人は五年前、駆け落ちを決意した。だがその途中、海難事故に遭い、彼はリディアとの記憶を失ってしまう。最愛の人に突き放され、逃げるように彼のもとを去ったリディア。……私を思い出してくれたの? 再会の喜びのまま情熱的に結ばれる二人。しかしそれは、実業家となったセルジュがある復讐のために仕掛けた罠だった!?
<読んだ感想>
ティーンズラブを読んで、こんなに涙した事あるかしら…。
あなたは、愛する人が自分の事を忘れてしまったらどうする?
もうねー、せつないの一言につきる。
主人公のリディアがとにかく良い娘なのよ。
頑張り屋で一途で、人に優しくて。
愛する人(セルジュ)に忘れられても、ずっと想い続けてて。
一生のうちに、本当に好きになれる人ってそんなにいないと思うのよ。
恋に恋する時期はあっても、
別れるだけで自分の半身が引き裂かれるほど好きになれる人って、
1人いるかいないかのような気がする(私はね)。
リディアとセルジュのベットシーンがあるのだけど。
なんか読みながら、リディアに感情移入していってしまって。
愛する人と繋がれる心の喜びの反面、相反する態度を取らざる得ない。
そんなリディア像にとても惹かれてしまったわ。
さすが宇奈月香様。
深い愛の感情表現の素晴らしいこと。
ストーリ性も抜群で、最後の最後まで楽しく読ませてもらったよ。
私も、好きで好きでたまらなかった人いたな~って。
ずっと一緒にいたいのに、でもお互いの間に壁ができてしまってて。
修復もできない。
別れの時間が一刻とせまってきてて。
一緒にいても、離れるのがイヤで泣くことしかできなかった自分を思い出してた。
人間味あふれる、とても素敵なお話だった。
10代の頃を思い出させてくれて、どっぷりトリップさせてくれたよ!
この本に関心がある人におすすめ!
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